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雑誌目次

雑誌文献

臨床皮膚科52巻4号

1998年04月発行

雑誌目次

カラーアトラス

Darier病

著者: 木花いづみ

ページ範囲:P.294 - P.295

患者 33歳,女性
初診 1993年8月27日

原著

Melkersson-Rosenthal症候群—過去10年間の集計と免疫組織学的検索

著者: 水戸部知代 ,   工藤由美子 ,   千葉紀子 ,   高橋洋一 ,   品川俊人 ,   溝口昌子

ページ範囲:P.297 - P.302

 Melkersson-Rosenthal症候群の2症例を紹介するとともに,過去10年間の本邦報告例25例を集計し,文献的考察を加えた.症例1は44歳男性.下口唇の腫脹と顔面神経麻痺を呈し,生検では稠密なリンパ球浸潤の中に,ごく少数の肉芽腫形成がみられた.症例2は42歳女性.上口唇の腫脹と皺襞舌を呈し,生検では明らかな肉芽腫形成がみられた.過去の報告例25例中,肉芽腫性変化がみられたものは60%であった.自験例2例で,免疫酵素組織学的検索を施行したところ,CD8,CD22陽性細胞の集塊を取り囲むようにCD3,4陽性細胞がみられる分布が2症例ともに共通して認められた.本症において組織型が異なる場合でも,同様の細胞性免疫機構が関与していることを示唆する所見と考えられた.また,治療法として症例2に対し外科的切除を施行し,現在まで再発をみていない.

Mobile encapsulated lipoma—自験2例の報告および本邦報告28例の検討

著者: 山田佐知子 ,   佐々木裕子 ,   畑康樹 ,   河原由恵 ,   田中勝

ページ範囲:P.303 - P.308

 48歳女性と,39歳女性のmobile encapsulated lipoma(以下MEL)の2例を報告した.症例1は,頸部と下腿に可動性を有する皮下結節が認められ,病理組織学的に変性した脂肪細胞を比較的厚い結合織線維が被包しており,典型例であった.変性した脂肪細胞の一部では膜嚢胞性病変を伴っていた.症例2は,大腿部に可動性良好の直径30mmの皮下結節と,米粒大の皮下結節数個を認め,前者は組織学的にMEL,後者は皮膚石灰沈着症と診断した.症例1,2ともステロイド剤内服の既往があった.本邦報告28例を集計するとともに,本症の発症とステロイド剤の関連性について考察した.

今月の症例

放線菌とFusobacterium nucleatumによる混合感染症の1例

著者: 高晶子 ,   笹岡龍次 ,   宮本亨

ページ範囲:P.310 - P.311

 76歳,女性.犬咬傷の治癒が遷延し右前腕に紅褐色局面を呈した.生検組織,膿よりの一般細菌,真菌,抗酸菌培養の結果はすべて陰性であった.切開排膿にて軽快するも再発を繰り返すため,病変部の切除および植皮術を施行した.切除組織標本内に放線菌の菌塊を認め,また切除片の嫌気性培養にてFusobacterium nucleatumの発育を認めた.この両者による混合感染症と考え報告した.

多毛を伴ったミトコンドリア脳筋症(MELAS)の1例

著者: 橋本喜夫 ,   伊部昌樹 ,   豊田典明 ,   田村俊哉 ,   飯塚一

ページ範囲:P.313 - P.315

 著明な多毛が認められたミトコンドリア脳筋症(MELAS)の1例を報告した.卒中様発作,血液髄液中の乳酸値の上昇,ミトコンドリアの生化学的異常,ミトコンドリアDNAの変異も認められ,5歳時にMELASと確定診断された.7歳以後は卒中様発作を繰り返すたびに病勢が進行し,12歳時心不全にて死亡した.四肢,躯幹の多毛は4歳時から存在しており,本症は多毛をきたす疾患の一つとして皮膚科医としても念頭におくべきと考えた.

症例報告

片側性複発性帯状疱疹の1例

著者: 斎藤京 ,   畑康樹 ,   河原由恵 ,   大畑恵之 ,   清水宏

ページ範囲:P.317 - P.320

 症例は53歳,女性.慢性関節リウマチ,Sjögren症候群に対して当院内科にて加療中,左臀部に小水疱を伴う有痛性浮腫性紅斑が出現.3日後,左前額部にも同様の有痛性皮疹が新生した.汎発疹なし.皮疹の塗抹標本の蛍光抗体法にてVZVのウイルス抗原が陽性を示し,片側性複発性帯状疱疹と診断.アシクロビル点滴にて軽快した.本邦皮膚科領域での片側性複発性帯状疱疹の報告は自験例を含め15例であり,若干の考察を加えて報告する.

帯状疱疹治癒後に生じた脊髄炎による知覚障害の1例

著者: 石澤俊幸 ,   鹿間幸弘 ,   太田郁郎 ,   近藤慈夫

ページ範囲:P.321 - P.323

 60歳,女性.左頸肩部(C3-4)領域の帯状疱疹後,右下肢(L1領域以下)の知覚障害を生じた症例を報告した.C4/5の脊髄横断面におけるMRIにて左白質外側に高信号域を認め,髄液中の抗水痘・帯状疱疹ウイルス抗体ではIgGが128倍以上と高値を示した.以上より帯状疱疹後に生じた脊髄炎と診断し,アシクロビルの点滴を施行.1か月後には知覚障害は改善し,MRIの高信号域も消失した.

剣山山系のドロレス顎口虫による皮膚爬行疹とイレウスの2例

著者: 宮岡由規 ,   佐川禎昭 ,   原田浩史 ,   仁木寛治 ,   佐藤隆久 ,   名和之文

ページ範囲:P.325 - P.327

 症例1は45歳,男性,発熱と背部の皮膚爬行疹が出現.症例2は45歳,男性,大腸イレウスを発症.両者とも1か月以内に剣山のマムシを同時に生食していた.臨床症状より寄生虫感染を疑った.虫体は発見されなかったが,好酸球増加とELISA法でドロレス顎口虫抗体陽性であった.二人が生食した剣山のマムシ10匹中2匹からドロレス顎口虫の幼虫が検出され,自験例は顎口虫感染と診断した.剣山のマムシからドロレス顎口虫の幼虫が発見されたのは他に報告がなく,生態分布学的に重要であると考えられた.症例1は皮疹の広範囲切除術を行ったが好酸球は増加.症例2も腹部症状は改善したが,好酸球の増加を認めた.両者とも虫体が残存していると考え,albendazole 600mg/日を3週間内服したところ,好酸球は正常に復した.“ゲテモノ食い”が流行する現代の風潮の中,人体寄生虫症は今後増加すると推測され,同剤はドロレス顎口虫症に有用であると考えられた.

線状IgA水疱症の1例

著者: 盛田克子 ,   西堀由喜子 ,   山崎雄一郎 ,   島伸吾

ページ範囲:P.330 - P.332

 線状IgA水疱症の患者に,ニコチン酸アミドとミノサイクリン(ミノマイシン®)の併用療法を試みた1例を報告した.本治療法は,水疱性類天疱瘡に対するステロイド療法の際,その減量,離脱に有効である.今回,線状IgA水疱症に対して本治療法を試みたところ,同様に有効であった.

結核を合併した糖尿病患者に生じた穿孔性汎発性環状肉芽腫の1例

著者: 伊藤泰介 ,   藤田弘 ,   櫻井みち代 ,   今泉俊資 ,   秋山仁一郎

ページ範囲:P.333 - P.336

 患者は68歳,男性で,糖尿病と肺結核の治療を受けている.初診半月前より,両手背から前腕にかけて,発赤した弾性硬の中央やや陥凹した直径約2〜3cmの小結節を数個生じた.皮疹の一部は中心臍窩を伴い,潰瘍化していた.病理組織検索にて,変性した膠原線維と,その周囲に組織球,リンパ球が放射状に浸潤し,巨細胞も散見され,環状肉芽腫と診断した.また中心臍窩を伴う皮疹では,膠原線維の経表皮的排出像が認められた.本症例は糖尿病に合併しやすい汎発型環状肉芽腫であり,さらにその一部が経表皮性排除現象を起こしていた稀な症例である.

汎発型を呈した非定型環状肉芽腫の1例

著者: 名嘉眞武国 ,   長治順子 ,   橋本隆 ,   津田眞五 ,   古賀英昭

ページ範囲:P.337 - P.339

 環状肉芽腫のうち非定型疹に分類される紅斑型環状肉芽腫を報告した.62歳,女性.10か月前より右上腕屈側と右手首関節部に環状の紅斑,左右肘部に中央に色素沈着を有する手掌大の紅斑が出現.病理組織学的に,環状紅斑,紅斑局面のいずれにも典型的なpalisading granulomaの所見は認めないが膠原線維の膨化,断裂およびリンパ球,類上皮細胞,組織球からなる細胞浸潤と巨細胞が散見された.Elastica-van Gieson染色で一部の巨細胞の細胞質内に,貧食された弾性線維の断片を認めた.PAS染色,トルイジンブルー染色は陰性.本症例の臨床像は非定型疹に分類される紅斑型と考えられた.紅斑型環状肉芽腫の本邦での報告例は今回の症例を含め4例のみで,極めてまれである.

経過中に尋常性乾癬を合併した小児皮膚筋炎の1例

著者: 木花いづみ ,   布袋祐子

ページ範囲:P.341 - P.343

 7歳,男児.蝶形紅斑とGottron徴候,筋酵素の上昇を認め皮膚筋炎と診断.安静のみで軽快傾向を認め経過観察していたところ,1年半後手掌,足底から四肢に拡大する発疹が出現した.皮膚生検の結果,尋常性乾癬の合併と考えた.両者の合併は非常に稀である.

コルヒチンが奏効した小児膿疱性乾癬の1例

著者: 布施暢子 ,   伊丹聡巳 ,   新村眞人

ページ範囲:P.345 - P.347

 4歳,女児.平成6年10月頃,頭部に膿痂疹様の皮疹が出現.平成7年5月には躯幹,四肢に拡大,さらに6月に40℃の発熱とともに,全身の紅斑が拡大,膿疱が出現した.当院小児科を受診,精査加療目的で入院した.白血球の左方移動を伴う増加,表皮の肥厚,Kogojの海綿状膿疱,真皮乳頭層の浮腫,浅層の細胞浸潤を認めた.タカルシトール軟膏外用約6週間で軽度改善したが再燃し,コルチヒン1日0.1mgの経口投与併用数日間で皮疹は消退し,体温も36℃台となり,白血球,CRPも正常となった.コルヒチンを中断すると皮疹と高熱が再燃,再開すると改善.現在同量でコントロールされている.コルヒチンは低濃度であればほぼ副作用の出現はないとされており,長期投与でも比較的安全に使用でき,長期管理の必要な小児汎発性膿疱性乾癬に試みてよい薬剤と思われた.

HLA-B5(Bw51)に関連した膿疱性血管炎の2例

著者: 藤田弘 ,   伊藤泰介 ,   今泉俊資

ページ範囲:P.349 - P.351

 HLA-B5(Bw51)に関連すると思われた膿疱性血管炎の2例を報告した.臨床的には上気道炎様症状が先行し,発熱と関節痛を伴った無菌性集簇性膿疱が四肢中心に生じ,亀井らの報告した集簇性膿疱性血管炎に類似していた.検査値では白血球数上昇と炎症反応,補体値の著しい上昇と肝障害の所見が認められ,症状の改善とともに正常化した.消化管疾患やベーチェット病を示唆する所見はみられなかった.組織学的には角層下膿疱とその直下真皮の好中球とその核破片からなるleukocytoclastic vasculitisの像を呈していた.ヨードカリ内服を試みたが効果なく,ステロイド全身投与が著効を示し,以後症状の再燃はみられなかった.

顔面浮腫を伴った側頭動脈炎の1例

著者: 田村政昭 ,   永井弥生 ,   石川治

ページ範囲:P.352 - P.354

 82歳,女.初診3か月前より,頭痛が出現,1か月前には顎関節痛,開口障害を生じた.頭痛の増強とともに+C13顔面浮腫を生じた.初診時,顔面全体に浮腫を認め,両側頭部には圧痛を伴う皮下の索状硬結+C27を触れた.CRP 6.3mg/dl,C13赤沈104 mm/hと充進.側頭動脈生検では血管壁内に単核球および組織球を主体とした肉芽腫性血管炎像を認めた.以上より側頭動脈炎と診断し,プレドニゾロン30 mg/日内服開始,顔面浮腫,頭痛ともに速やかに軽快した.

環状皮疹を呈した皮膚型結節性多発性動脈炎

著者: 木村俊次 ,   和泉達也 ,   今村浩子

ページ範囲:P.355 - P.357

 69歳女性,背部に環状に配列し遠心性に拡大する皮疹を呈した皮膚型結節性多発性動脈炎の1例を報告した.臨床的に軽度隆起性で圧痛ある紅色丘疹ないし淡紅色小結節が環状に配列して手掌大の病変を形成する.組織学的に真皮・皮下組織境界部に壊死性動脈炎を認めた.他臓器病変はみられなかった.非ステロイド系消炎剤内服も少量のステロイド内服も有効であった.同様皮疹を呈した本邦例を検討したところ,皮膚型結節性多発性動脈炎のmigratory typeとして位置づけるのが適当と思われた.

温熱療法が奏効した菌状息肉症の1例

著者: 山田詠剛 ,   水谷仁 ,   清水正之

ページ範囲:P.359 - P.362

 菌状息肉症の腫瘍期の患者に対して使い捨てカイロによる温熱療法を試みた.方法は腫瘤を形成する両手掌,足底,前額に対して使い捨てカイロをそれぞれ連日1時間ずつ圧抵を行う.治療を開始したところ約2週間で明らかな効果が見られ4週間でほぼ臨床的にも組織学的にも改善を認めた.温熱療法は,高価な器具を必要とせず安価であり,また使い捨てカイロでは軟らかくどのような場所にでも貼布でき副作用もなく,今後広く試みてもよい治療法であるように思われた.

Eccrine poromaの1例

著者: 安部正敏 ,   石川治 ,   宮地良樹 ,   服部瑛

ページ範囲:P.363 - P.365

 27歳,女性の右膝蓋部に生じたeccrine poromaの1例を報告した.病理組織学的に,腫瘍は一部表皮と連続性を有する境界明瞭な真皮内の腫瘍塊であった.大部分の腫瘍細胞はporoma cellであるが,一部の細胞には大小不同,細胞配列の乱れ,あるいは核分裂像が認められ,軽度の異型性を伴っていた.また,腫瘍塊の一部には管腔様構造やhorn pearl様構造も認めた.本邦において,三島・森岡は軽度の異型性を有するeccrine poromaをeccrine poroepitheliomaと分類した.しかし,最近の報告ではeccrine poroepitheliomaという診断に関して明確でない部分があり,本症例はeccrine poromaの範疇に入るものと考えられた.

Microcystic adnexal carcinomaの1例

著者: 黒瀬浩一郎 ,   西岡昭二 ,   長治順子 ,   桑江朝俊 ,   名嘉眞武国 ,   橋本隆

ページ範囲:P.366 - P.369

 79歳,男性.左頬部に米粒大の皮内硬結が集簇し,拇指頭大の浸潤局面を形成.組織学的に真皮内に角質嚢腫,管腔様構造および豊富な間質に囲まれた索状構造を示す腫瘍巣など多彩な構築を認めた.索状構造は軽度異型を伴う基底細胞様細胞よりなり,Microcystic adnexal carcinomaと診断した.経過中2度にわたり再発を認め,拡大切除術を行った.

紡錘形細胞からなる真皮内母斑の1例

著者: 大熊よう子 ,   光石幸市 ,   小林雅明 ,   持田耕己 ,   坪井良治 ,   小川秀興

ページ範囲:P.371 - P.373

 33歳,女性の右背部に生じた紡錘形細胞からなる真皮内母斑の1例を報告した.病変は直径1cm大の有茎性で黒褐色の柔らかい腫瘤で,病理組織学的には病変は真皮上〜中層に限局した主として紡錘形の細胞からなる腫瘍塊であった.腫瘍塊は,表皮や周辺組織からは明瞭に区別されて境界活性がなく,表皮に近い辺縁部はメラニン顆粒の豊富な母斑細胞様細胞からなり,中心部では比較的均一な紡錘形の細胞が束状,渦状に密に増殖し,一部の細胞にメラニン顆粒を認めた.個々の細胞に異型性はみられなかった.免疫組織学的には,腫瘍細胞はS−100蛋白,NSEともに陽性で,S−100蛋白は表皮に近い辺縁部ほど強く,NSEは中心部ほど強く染まった.以上より自験例を真皮内母斑の一種と考えた.

連載

Clinical Exercises・61—出題と解答

著者: 橋本隆

ページ範囲:P.354 - P.354

 121 次のうち妊娠時に発症または増悪するものはどれか.
  ①基底細胞癌

Practical English for Busy Physicians・52

著者:

ページ範囲:P.374 - P.374

英語と米語の違い,preという単語,HMOの動きについて
 皆さんはいろいろの“pre”がついている単語をご存じだと思います.例えば“prefix”等ですね.最近私は今までに見たことのない新しい“pre Word”を2つほど見つけました.1つは“prequel”というもので,これは映画などでおなじみの続編(sequel)をもじったもので,この場合は同じ題名に第2弾,第3弾というふうに表現することが多いようですが,prequelの意味は本題の前に来る話しということになります.そこで私はOED(Oxford English Dictionary)でこの単語を調べてみたところ,驚いたことにはちゃんとprequelが載っていました.また2つ目の単語は“prebate”というもので,これはコンピューターの広告で見つけたのですが,もちろんrebateは皆さんもご存じのように商品購入後に払い戻しを受けることですが,prebateというのは見たこともないし聞いたこともありません.早速OEDを調べてみたのですが,さすがにこれは記載されていませんでした.つまりこの意味はいろいろの書類や手続きなしで,その場で割引がしてもらえるということのようです.これなどは正確な英語とは言えませんが,みんなが頻繁に使用すればすぐに本当の英語に採用されるでしょう! discountという単語だと何か製品に欠陥でもあるような印象を与えてしまいますが,prebateのほうが安物というイメージなしで印象が良いようです.

治療

外用PUVA療法を応用した再建乳頭乳輪への着色法

著者: 内田玲 ,   島田眞路

ページ範囲:P.375 - P.377

 メトキサレンにより皮膚の光線感受性を増強させたのち長波長の紫外線(UVA)を照射しメラニンの沈着を促進させる方法はPUVA療法と呼ばれ,現在では白斑に対する治療としては最も一般的なものの一つとなっている.PUVA療法のうちメトキサレンを外用した後,UVAを照射する方法(外用PUVA療法)は比較的小範囲に限局して用いることができ,内服PUVA療法に比べ副作用も少ないことから有用性が高い.われわれは再建乳房上に乳頭乳輪を作製するにあたり術前および術後に外用PUVA療法を施行することにより健常に近い自然な色調を得ることができたので若干の文献的考察を含め報告する.

指趾粘液嚢腫に対するフェノール法

著者: 伊藤嘉恭 ,   知識稔 ,   番場圭介 ,   高須博 ,   石橋明

ページ範囲:P.378 - P.380

 単純切除再発例3例,凍結療法再発例1例を含む10例の指趾粘液嚢腫に対しフェノール法を試みた.10例中3例に再発がみられた.それぞれ術後10日,術後1か月,術後4か月で再発したため再度フェノール処置を追加した.前2者は初期の頃の症例でフェノール圧抵時間を8分と短いものであったため,これ以降15分間圧抵とした.本法は,陥入爪に対するフェノール法と比較してより長く作用させることが重要であり,侵襲が少なく簡便で有用性が高いと考えられた.

基本情報

臨床皮膚科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1324

印刷版ISSN 0021-4973

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