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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻4号

1998年04月発行

文献概要

症例報告

結核を合併した糖尿病患者に生じた穿孔性汎発性環状肉芽腫の1例

著者: 伊藤泰介1 藤田弘1 櫻井みち代1 今泉俊資2 秋山仁一郎3

所属機関: 1静岡県立総合病院皮膚科 2今泉皮ふ科医院 3静岡県立総合病院呼吸器科

ページ範囲:P.333 - P.336

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 患者は68歳,男性で,糖尿病と肺結核の治療を受けている.初診半月前より,両手背から前腕にかけて,発赤した弾性硬の中央やや陥凹した直径約2〜3cmの小結節を数個生じた.皮疹の一部は中心臍窩を伴い,潰瘍化していた.病理組織検索にて,変性した膠原線維と,その周囲に組織球,リンパ球が放射状に浸潤し,巨細胞も散見され,環状肉芽腫と診断した.また中心臍窩を伴う皮疹では,膠原線維の経表皮的排出像が認められた.本症例は糖尿病に合併しやすい汎発型環状肉芽腫であり,さらにその一部が経表皮性排除現象を起こしていた稀な症例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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