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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻4号

1998年04月発行

文献概要

症例報告

汎発型を呈した非定型環状肉芽腫の1例

著者: 名嘉眞武国1 長治順子1 橋本隆1 津田眞五2 古賀英昭3

所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科学教室 2津田皮膚科クリニック 3古賀皮膚科

ページ範囲:P.337 - P.339

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 環状肉芽腫のうち非定型疹に分類される紅斑型環状肉芽腫を報告した.62歳,女性.10か月前より右上腕屈側と右手首関節部に環状の紅斑,左右肘部に中央に色素沈着を有する手掌大の紅斑が出現.病理組織学的に,環状紅斑,紅斑局面のいずれにも典型的なpalisading granulomaの所見は認めないが膠原線維の膨化,断裂およびリンパ球,類上皮細胞,組織球からなる細胞浸潤と巨細胞が散見された.Elastica-van Gieson染色で一部の巨細胞の細胞質内に,貧食された弾性線維の断片を認めた.PAS染色,トルイジンブルー染色は陰性.本症例の臨床像は非定型疹に分類される紅斑型と考えられた.紅斑型環状肉芽腫の本邦での報告例は今回の症例を含め4例のみで,極めてまれである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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