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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻4号

1998年04月発行

文献概要

症例報告

コルヒチンが奏効した小児膿疱性乾癬の1例

著者: 布施暢子1 伊丹聡巳1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.345 - P.347

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 4歳,女児.平成6年10月頃,頭部に膿痂疹様の皮疹が出現.平成7年5月には躯幹,四肢に拡大,さらに6月に40℃の発熱とともに,全身の紅斑が拡大,膿疱が出現した.当院小児科を受診,精査加療目的で入院した.白血球の左方移動を伴う増加,表皮の肥厚,Kogojの海綿状膿疱,真皮乳頭層の浮腫,浅層の細胞浸潤を認めた.タカルシトール軟膏外用約6週間で軽度改善したが再燃し,コルチヒン1日0.1mgの経口投与併用数日間で皮疹は消退し,体温も36℃台となり,白血球,CRPも正常となった.コルヒチンを中断すると皮疹と高熱が再燃,再開すると改善.現在同量でコントロールされている.コルヒチンは低濃度であればほぼ副作用の出現はないとされており,長期投与でも比較的安全に使用でき,長期管理の必要な小児汎発性膿疱性乾癬に試みてよい薬剤と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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