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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻5号

1998年04月発行

特集 最近のトピックス1998 Clinical Dermatology 1998

1 最近話題の皮膚疾患

成人溶連菌性膿痂疹

著者: 西嶋攝子1 名村章子1 河合修三2

所属機関: 1関西医科大学附属香里病院皮膚科 2関西医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.7 - P.12

文献概要

 溶連菌による成人の膿痂疹の典型例とアトピー性皮膚炎(AD)に合併した非典型2例を供覧した.最近ADに合併して溶連菌による特異で重症の膿痂疹が増加しているとの報告が散見される.全国的に溶連菌による感染症がそれほど急激に増加しているか否かは疑問であるが,特定の施設での増加が観察されている.溶連菌と黄色ブドウ球菌(黄色ブ菌)の薬剤感受性には明らかな相違があるが,本来皮膚科領域感染症の原因菌は,主として黄色ブ菌であるため,黄色ブ菌の中でも耐性ブ菌に有効な薬剤選択は,溶連菌感染の増加につながる可能性がある.ADに溶連菌感染が増加している理由は明らかにされていないが,AD特有の皮膚症状あるいは皮膚の状態が,溶連菌の生着と増殖を容易にしているのかもしれない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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