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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻5号

1998年04月発行

特集 最近のトピックス1998 Clinical Dermatology 1998

1 最近話題の皮膚疾患

MRSAによる伝染性膿痂疹の臨床的,細菌学的,分子疫学的検討

著者: 加藤千草1 水嶋淳一1 石黒直子1 川島眞1 志関雅幸2 戸塚恭一2 内山竹彦2 五十嵐英夫3

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学感染対策科 3東京都立衛生研究所微生物部

ページ範囲:P.14 - P.17

文献概要

 1996年夏に,都内某保育園で流行したメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による伝染性膿痂疹8例を検討し報告した.臨床的には一見,痂皮化途上にあると思わせる乾燥性のびらんと小水疱を特徴とした.細菌学的検討では,検出されたMRSAは薬剤感受性パターンが全例同一で,検討しえた7例では全例コアグラーゼI型,ファージI・III・V・雑群,表皮剥脱素B産生株であった.またパルスフィールドゲル電気泳動法による検討でDNAの切断パターンも一致し,同一菌株による水平感染であることが確認された.治療経過としては,当初メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)の膿痂疹と考えたものの中で,セフェム系が無効で一見痂皮化途上にあると思わせる皮疹が拡大するとともに小水疱を新生して遷延する症例があり,これらではMRSAが単独で検出され,MRSAの膿痂疹の臨床的特徴と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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