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特集 最近のトピックス1998 Clinical Dermatology 1998 2 皮膚疾患の病態
自己免疫の動物モデル
著者: 佐藤伸一1
所属機関: 1金沢大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.57 - P.62
文献購入ページに移動 B細胞の抗原レセプターを介するシグナルの閾値を適正に設定することは,B細胞の外来抗原に対する反応や自己抗原に対するトレランスを制御する上で必須である.CD 19およびCD 22はB細胞に特異的に発現するシグナル伝達分子である.In vivoでこれらの分子の機能を解析した結果,CD 19はB細胞のシグナルを増強し,一方CD 22は抑制することが明らかとなった.また,CD 19をより多く発現するCD 19トランスジェニックマウスおよびCD 22の発現を欠くCD 22ノックアウトマウスでは,ある種の自己抗体の産生が見られた.これはCD 19およびCD 22がB細胞の抗原レセプターを介するシグナルを変調させることによって,本来その働きが抑えられている自己反応性B細胞を活性化させたためと考えられた.また,これらのマウスは,さらに詳細に自己免疫の機序を調べるのに有用な新しい自己免疫の動物モデルになりうると考えられた.
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