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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻5号

1998年04月発行

Derm.'98

乾癬の治療——臨床皮膚科医からの雑感

著者: 澤村大輔1

所属機関: 1弘前大学皮膚科

ページ範囲:P.62 - P.62

文献概要

 皮膚科の日常診療をある程度の期間行っていると,皮膚科医ならば必ず乾癬の患者さんの主治医となっているはずであり,必ず困ったことや痛い目にあっているのではないかと思う.私も同様で,乾癬の患者さんを入院させて思いきり戦い皮疹をなくして退院,勝ったと思っても3か月後に入院前より悪化して来院されるとか,チガソン®を内服して頂いて皮疹は軽快したが,正常の皮膚の菲薄化,口唇炎,爪囲炎などで患者さんから止めてくれと言われたり.
 乾癬の治療として,シクロスポリン内服やビタミンD3外用療法など新しい療法が出てきているが,その即効性,経済性などから日本中すべての患者さんについて見れば,頻度はステロイド外用が一番多いと思う.いくらステロイドの副作用を説明しても,患者さんが強く希望されることもある.どうも,一所懸命,皮疹をすべて寛解させようと頻回に来院し外用剤をたくさんもらっている真面目な患者さんが,ひどいように感じる.特に,若い女性や女の子などは,ステロイドがどんどん強くなり,皮疹の範囲も逆に拡がっているような気がする.一方,ある程度“達観”した中高年の男性などは,来院するのは半年に1回,外用するのも週1〜2回,新しい治療が出ましたなどと言っても,“それ本当に効くの?”とのってこない,そういう患者さんがひどくないのである.確かに,初めからそういう乾癬のタイプかもしれないが,ステロイド全盛のこの時代,乾癬を寛容し人生の伴侶として認めることも患者さんにとってはプラスになることもあるのかもしれない.もちろん,だからと言って,私自身ステロイド療法を否定しているわけではない.また,多くの皮膚科医が,乾癬の脱ステロイドに必死に取り組んでいるのもよくわかる.乾癬は,むずかしいのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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