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特集 最近のトピックス1998 Clinical Dermatology 1998
2 皮膚疾患の病態
文献概要
Epstein-Barrウイルス(EBV)は日本人では成人のほぼ100%が感染しているウイルスであるが,近年造腫瘍ウイルスとして注目されている.EBVが関連しているリンパ腫はB細胞性,T細胞性,NK細胞性のものなどが知られ,細胞の起源にかかわらずかなり広い範囲のリンパ腫に関連していると考えられる.われわれは皮膚原発の悪性リンパ腫を中心に,皮膚病変を有するリンパ腫およびリンパ球増多症を対象としてEBV関連の有無を検索してきた.その結果,1)組織的にangiocentric lymphomaと診断されるリンパ腫,2)皮下脂肪織炎様の臨床,組織像で発症し,cytophagic histiocytic panniculitisとの異同が問題となるような皮下リンパ腫,3)小児のおもに顔面に壊死を伴う丘疹,水疱を多発してくるリンパ球増多症の症例でEBVが高率に検出された.
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