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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻5号

1998年04月発行

特集 最近のトピックス1998 Clinical Dermatology 1998

3 新しい検査法と診断法

血管腫のMRI診断—3種類の特徴的なMRI所見,およびshort inversion time inversion recovery(STIR)法の有用性について

著者: 倉持朗1 池田重雄1

所属機関: 1埼玉医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.79 - P.86

文献概要

 皮膚血管腫に対しMRIを施行し,血管腫の種類によって,MRI画像は,描出される形態の特徴と内部構造の相異から,次の3グループに分類できた.〔group A〕はvenous racemous hemangiomaなどのグループで,全体が類円形で,内部signalが不均一であり,T1 low,T2 high,STIR highの大小顆粒状・不規則樹枝状の小構造が集籏したもので,Gd-DTPAにより不均一な造影効果を示すもの.〔group B〕は,strawberry markで,中期までの(a)は,微細な顆粒が集籏したT1 low,T2 high,STIR highの類円形のmassで,造影効果を示すもの.また消退期の(b)は,脂肪織の信号と類似しながら造影効果を残すもの.〔group C〕は,cirsoid angiomaで,T1,T2両者で点状のno(low)signalが集籏するmassで,造影効果を欠くもの.これらの画像は,各々の血管腫の特徴,すなわち〔group A〕=血管拡張(主に静脈性)+slow-flow,〔group B(a)〕=腫瘍性増殖(主に血管内皮・毛細血管性)+slow-flow,〔group C〕=血管拡張(主に動脈性)+high-flow,と相関していた.Cavernous lymphangiomaは,画像上group Aに類似していたが,Gd-DTPAでの造影効果がないことにより鑑別された.また脂肪抑制画像の一つであるSTIR法は,血管腫の描出に極めて有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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