文献詳細
特集 最近のトピックス1998 Clinical Dermatology 1998
3 新しい検査法と診断法
文献概要
遺伝相談は,家系図を作成して遺伝関係を明らかにするところからはじまる.したがって,古典的メンデル式遺伝や多因子遺伝などの遺伝型式をよく知っておく必要がある.しかし実際は,これらに当てはまらない例もある.これらのうち,本稿ではモザイクの遺伝に注目して最近の知見をまとめた.すなわち,X染色体性モザイク,unstable pre-mutation, paradominant inheri-tance,接合後突然変異,戻りモザイク現象をとりあげ,例をあげて解説した.これらの遺伝現象のうち,あるものは分子遺伝学的手法を用いて証明され,またあるものはまだ仮説の域を出ていない.しかし,皮膚科領域の遺伝相談において,モザイクの臨床と遺伝を知ることは重要である.
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