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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻5号

1998年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス1998 Clinical Dermatology 1998 4 皮膚疾患治療のポイント

アトピー性皮膚炎におけるステロイド外用剤の使い方

著者: 中村晃一郎1 湧川基史2 福中秀典1 林伸和1 古江増隆3 玉置邦彦1

所属機関: 1東京大学医学部皮膚科学教室 2東京大学医学部分院皮膚科 3九州大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.99 - P.102

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 ステロイド外用剤はアトピー性皮膚炎(AD)の治療において中心的な役割を担っており,ADの長期コントロールに必要不可欠な薬剤である.しかし,近年成人型ADの顔面の難治性紅斑,頸部色素沈着などの難治性皮膚病変の出現が社会問題となっており,ステロイドを危惧するなどの極端な意見も報じられている.ステロイドの副作用を警戒するあまり,ステロイドを外用しなかったり,弱すぎるステロイド外用療法のみを行えば,ADの皮疹を鎮静化することができず患者の満足を得られない.我々はADのステロイド治療法として,まず十分なステロイド外用を行い,次に弱いステロイド剤,保湿剤を用いることによって,長期的なADのコントロールを心がけている.ステロイド外用剤のもつ副作用を把握し,有効にステロイド外用剤を投与することが,ADの皮疹のコントロールに必要と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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