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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻5号

1998年04月発行

特集 最近のトピックス1998 Clinical Dermatology 1998

4 皮膚疾患治療のポイント

脱ステロイド療法の総括—方法と限界

著者: 清水良輔1

所属機関: 1神戸労災病院皮膚科

ページ範囲:P.103 - P.107

文献概要

 アトピー性皮膚炎(以下AD)の難治化とそれに伴って起こるステロイド依存症・恐怖症という概念が現代のADの病態・治療を考える上で重要である.ステロイド依存,脱ステロイド,そしてリバウンド現象という一種の“どん底体験”をきっかけに,心理社会的な増悪要因やその受け止め手としての人格特性,またその人格特性をはぐくんだ家族システム等に気づいたり,それらを自覚せずとも疾患の極端な増悪が生活をいったんストップしてしまう結果となることで,自然に本人や家族に行動の変容をもたらすことが脱ステロイドでADが良くなる最大の理由であると思われる.我々皮膚科医はステロイドの適正使用を再検討すべきであるし,そういう病態に陥りやすい患者サイドの心理的要因にもっと配慮すべきと思われ,脱ステロイドを行うにも心理治療という枠組みのなかで行うことが最も重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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