icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻5号

1998年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス1998 Clinical Dermatology 1998 4 皮膚疾患治療のポイント

アトピー性皮膚炎における保湿剤の使い方

著者: 井上奈津彦1 上出良一1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.108 - P.112

文献購入ページに移動
 生体の水分バリアは,表皮細胞構築と角質層,皮脂膜などで構成されている.中でも角質細胞間脂質であるセラミドの減少が,アトピー性皮膚炎に特徴的なdry skinの成因に関与しているとして,注目されている1).アトピー性皮膚炎はアレルギー性炎症という側面と,このdry skinが関与するバリア機能低下という非アレルギー的側面を有する.このことから治療法も二面性を持たせることが合理的であると考えられてきた.つまりアレルギー性の炎症から起こる湿疹・皮膚炎には,抗原の除去とともに抗アレルギー剤,ステロイド外用剤が有用であり,dry skinには増悪因子の除去と,保湿剤が必要となる.保湿剤の中から臨床上よく使用される,尿素軟膏,ヒルドイド軟膏®,ワセリン,保湿入浴剤についてそれぞれの特徴とアトピー性皮膚炎における使い方を概説した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?