文献詳細
特集 最近のトピックス1998 Clinical Dermatology 1998
4 皮膚疾患治療のポイント
文献概要
生体の水分バリアは,表皮細胞構築と角質層,皮脂膜などで構成されている.中でも角質細胞間脂質であるセラミドの減少が,アトピー性皮膚炎に特徴的なdry skinの成因に関与しているとして,注目されている1).アトピー性皮膚炎はアレルギー性炎症という側面と,このdry skinが関与するバリア機能低下という非アレルギー的側面を有する.このことから治療法も二面性を持たせることが合理的であると考えられてきた.つまりアレルギー性の炎症から起こる湿疹・皮膚炎には,抗原の除去とともに抗アレルギー剤,ステロイド外用剤が有用であり,dry skinには増悪因子の除去と,保湿剤が必要となる.保湿剤の中から臨床上よく使用される,尿素軟膏,ヒルドイド軟膏®,ワセリン,保湿入浴剤についてそれぞれの特徴とアトピー性皮膚炎における使い方を概説した.
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