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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻5号

1998年04月発行

特集 最近のトピックス1998 Clinical Dermatology 1998

4 皮膚疾患治療のポイント

脂漏性皮膚炎の抗真菌外用療法

著者: 渡辺晋一1

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.118 - P.121

文献概要

 脂漏性皮膚炎は,脂漏部位および間擦部位に好発する皮膚病変で,dandruff(フケ症)も脂漏性皮膚炎の前駆症状と考えられている.そのため,フケ症も含めると脂漏性皮膚炎患者はかなりの数になる.本症はステロイドによく反応するが,治療を中止すると容易に再発を繰り返すため,副作用が少なく,かつ根治的治療法が求められていた.一方,Malassezia furfurは健康人に普遍的に存在する酵母様真菌であるが,近年この真菌に抗菌活性を有している抗真菌剤が脂漏性皮膚炎に有効であることが報告され,ステロイド外用と比べ再発率,または再発までの日数,あるいは副作用発現率の点で優れていることが報告されるようになった.したがって,今後脂漏性皮膚炎に対する第1選択薬はM.furfurに抗菌活性を有する抗真菌剤となる可能性が高く,特にフケ症の治療には,抗真菌剤を含有したシャンプーの使用が便利であると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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