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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻5号

1998年04月発行

特集 最近のトピックス1998 Clinical Dermatology 1998

4 皮膚疾患治療のポイント

掌蹠膿疱症治療のポイント

著者: 冨樫きょう子1 橋本明彦2

所属機関: 1新潟大学医学部皮膚科学教室 2新潟大学歯学部歯科補綴学第二講座

ページ範囲:P.123 - P.128

文献概要

 慢性感染病巣の除去は掌蹠膿庖症の有効な治療で,扁桃病巣に次いで歯科の病巣治療が重要と考えられている.金属アレルギーが原因と考えられる症例も報告されており,歯科治療時には口腔内アレルゲン金属の除去も考慮しなければならない.また,掌蹠膿疱症の患者に,糖尿病や甲状腺疾患の合併が多いことも指摘されており,これらの合併症に注意し,適切な治療を行うことが必要である.我々は,掌蹠膿疱症患者29例について歯科に病巣の精査を依頼し,27例に根尖病巣を有するか,齲蝕または歯周疾患で抜歯を必要とする歯を認めた.金属アレルギーを認めたものは29例中14例で,口腔内金属の分析でアレルゲン金属を含有する修復物を認めたものが5例,認めないものが7例,2例は分析中である.歯科の病巣治療を行い,現在までに7例が著明な改善をみている.改善した7例のうち1例はアレルゲン金属の除去も行った.29例中5例に糖尿病の合併を認め,甲状腺疾患の合併は1例であった.歯科治療で改善した7例のうち1例は糖尿病で,食事療法も症状の改善に関与した可能性が考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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