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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻5号

1998年04月発行

特集 最近のトピックス1998 Clinical Dermatology 1998

4 皮膚疾患治療のポイント

陥入爪の短時間フェノール法

著者: 村下理1

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.163 - P.166

文献概要

 陥入爪の外科的治療法には従来より行われている楔状切除法や術後の外観を配慮する爪床形成法などがあるが,術後の疼痛や手技の煩雑さなどの欠点がある.フェノール法は手技が比較的簡便で術後の疼痛が少ない長所があり,広く一般に受け入れられつつある治療法である.しかし他の外科療法と同様の爪再生抑制効果を得るために長時間のフェノール焼灼が行われている.そのために創部の治癒が遷延し,完治するまで3〜4週間かかってしまうのが大きな欠点である.筆者はフェノールの作用時間を短くすることにより1週間以内に治癒させている.この方法では爪甲の再生率は増加するものの,陥入爪の症状の再発はほとんど認められていない.爪甲の再生率は今後の本法の改良により改善が期待できる.本法は外来診療における陥入爪の外科的治療の第1選択になり得ると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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