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特集 最近のトピックス1998 Clinical Dermatology 1998
5 皮膚科医のための臨床トピックス
文献概要
寄生虫は高次な異物認識・免疫応答機構を備えた宿主に対して安定な寄生状態を確立するためhost-parasite間で種々の適応戦略を試みてきたものと思われる.その過程で,寄生虫は宿主側の防御機構であるIgE産生応答を逆手に利用し,非特異的IgE抗体産生を通じて,ヒトのアレルギー反応を抑制してきたものと思われる.筆者は寄生虫の分泌・排泄液から宿主にIgE抗体を誘導する物質を精製した.この物質が生きた寄生虫と同様にIgE-MAPの活性や肥満細胞の脱顆粒を長期間にわたって抑制するための方策が今後に課せられた課題である.
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