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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻6号

1998年05月発行

文献概要

症例報告

糖尿病に発症し,救命しえた非クロストリジウム性ガス壊疽

著者: 原弘之1 服部綾子1 森嶋智津子1 下島博之1 本庄三知夫1 落合豊子1 森嶋隆文1 熊坂一成2 花輪純子3

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室 2日本大学医学部臨床病理 3花輪皮膚科

ページ範囲:P.415 - P.418

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 37歳の男性.血糖コントロール不良な糖尿病がある.初診2週間前より左5趾に生じた潰瘍が発赤,腫脹し,3日前より急激に症状が悪化し,左4,5趾は壊死に陥り,足背に水庖が出現した.単純X線にて皮下ガス像がみられ,グラム染色の結果はグラム陰性桿菌と陽性連鎖球菌が認められた.細菌培養の結果,Morganella Morganii, Streptococcus intermedius, Peptococcusが検出され,嫌気性菌と好気性菌の混合感染であった.当日にデブリードマンとカルバペネム系抗生物質を投与し,10日目に切断は左4,5趾のみに留め,植皮術を施行した.本症の予後は悪く,下腿切断術を行う積極的な外科療法が一般的であるが,ガス産生能の証明による早期診断,グラム染色による適切な抗生物質の選択と早期デブリードマンにより下腿を切断せずに救命しうる可能性が高まるものと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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