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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻6号

1998年05月発行

文献概要

症例報告

線状強皮症の1例

著者: 吉田智子1 西本正賢1 高岩堯1

所属機関: 1香川医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.432 - P.434

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 16歳,男性.アトピー性皮膚炎の合併あり.7歳の秋頃,左下腿の硬化性局面に気づく.翌年4月頃,心窩部左側にも同様疹が出現.8歳時に当科初診.斑状強皮症としてステロイド外用等にて加療.その後,年を経るにしたがって左下腿の皮膚硬化性局面が多発,拡大していった.徐々に左胸腹部,左下肢に皮疹が線状に配列するようになり,16歳時には定型的線状強皮症となった.罹患肢の萎縮,短縮あり.初診時の組織所見では,真皮全層にわたる膠原線維の膨化,増生がみられ,真皮浅層の血管,付属器周囲性に軽度の炎症細胞浸潤が認められた.年に1度抗核抗体,抗セントロメア抗体,抗ENA抗体,抗Scl−70抗体を測定したが,抗核抗体低倍陽性が経過中2回みられた他は明らかな免疫学的異常は認めなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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