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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻6号

1998年05月発行

文献概要

症例報告

軽症で推移した疱疹状膿痂疹の1例

著者: 寺澤直子1 岐部幸子1 中上文子1 末廣晃宏1 竹中秀也1 岸本三郎1 安野洋一1

所属機関: 1京都府立医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.435 - P.437

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 41歳女性,初産婦.妊娠33週時,左下腿に瘙痒を伴う紅斑,膿疱が出現し次第に全身に拡大した.初診時,腹部を中心に鶏卵大までの紅斑が多発融合し,一部は環状を呈していた.紅斑局面内には膿疱が集簇し,辺縁部では環状に配列していた.発熱などの全身症状は認めず,爪甲の変化もみられなかった.臨床検査所見ではとくに異常は認めなかった.病理組織所見では角層下膿疱およびKogojの海綿状膿疱が認められた.以上より軽症の疱疹状膿痂疹と診断した.治療はステロイド外用剤およびビタミンD3軟膏外用のみで寛解した.妊娠37週時に帝王切開にて女児を出産したが,出産前後での皮疹の増悪はみられなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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