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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻6号

1998年05月発行

文献概要

症例報告

ステロイド内服が著効したlamina lucida型線状IgA水疱性皮膚症の1例

著者: 佐伯秀久1 佐藤佐由里1 矢澤徳仁1 轟葉子1 江藤隆史1 戸田淨1 駒井礼子2 橋本隆2

所属機関: 1東京逓信病院皮膚科 2久留米大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.438 - P.440

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 45歳,男性.2か月前より手背,足背に小水疱が出現し,徐々に体幹,四肢にも皮疹が拡大した.胸腹部を中心にほぼ全身に,爪甲大までの小水疱や浮腫性紅斑が多発していた.組織像にて表皮下水疱と真皮上層に好中球の浸潤がみられた.蛍光抗体直接法にて表皮基底膜部にIgAの線状沈着を認めた.1M食塩水剥離皮膚を用いた蛍光抗体間接法では,表皮側に反応するIgA抗基底膜抗体を認めた.プレドニゾロン80mgより内服を開始し漸減したところ,皮疹は約1週間で消退した.皮疹の増悪傾向が強く疼痛などの自覚症状が強い場合には,ステロイドを初期より比較的大量に投与し漸減していく方法も有効であり,試みるべき価値のある治療であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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