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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻6号

1998年05月発行

文献概要

症例報告

Nagashima型掌蹠角化症の兄妹例

著者: 中村稔12 五十嵐勝1 市川眞喜子1 大井綱郎2 川崎了3

所属機関: 1東京医科大学八王子医療センター皮膚科 2東京医科大学皮膚科教室 3川崎皮膚科

ページ範囲:P.456 - P.460

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 37歳男性,34歳女性の兄妹のNagashima型掌蹠角化症を報告した.いずれの症例も両側の手掌,足底にびまん性の潮紅が見られ,角質増殖を伴っていた.男性例では肘膝部にも認められた.病変は幼少時より出現し,7歳頃に進行が止まり,現在まで症状の増悪はない.組織学的にはorthohyperkeratosisを示していた.家族歴には血族結婚はなく,両親,親族などに同様の症状も見られていない.HLAのタイピングではCw7が一致し,遺伝形式は常染色体劣性遺伝と考えられた.以上のことよりNagashima型掌蹠角化症と診断した.本症は過去の報告ではMeleda型掌蹠角化症としての報告が多いが,新しい遺伝性角化症の分類では,「Nagashima型」としてその独立性が認められるようになっている.今回,Nagashima型掌蹠角化症として典型的な兄妹例を経験したので報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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