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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻7号

1998年06月発行

文献概要

症例報告

前胸部の浮腫性肥厚をきたした習慣性丹毒

著者: 伊藤あおい12 高橋正明1

所属機関: 1市立函館病院皮膚科 2弘前大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.526 - P.528

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 49歳,男性.前胸部に丹毒を発症し,以後10年間に8回の再発を繰り返している.10年の経過で前胸壁は指圧痕を残さない浮腫状を呈し,ゴム様の弾力を有するようになった.CTでは皮下脂肪層の肥厚が認められたが,胸壁内には明らかな器質的異常は認められず,生検組織像でリンパ管の拡張がみられた.このことから,丹毒の再発によりリンパ管の閉塞をきたし,リンパのうっ滞,リンパ管の拡張,そしてリンパ浮腫を引き起こし,これがさらに丹毒を再発しやすくするという悪循環に陥ったものと考えた.リンパ節郭清後の四肢のリンパ浮腫に生じる丹毒は稀ならず認められるが,前胸部は稀と思われ報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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