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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻8号

1998年07月発行

文献概要

症例報告

Hydroxyureaによる下腿潰瘍と爪甲黒色色素沈着の1例

著者: 野瀬隆夫12 伊藤由佳1 三浦宏之1 倉知貴志郎1 田邊昇1 小塚雄民1

所属機関: 1国立大阪病院皮膚科アレルギー科 2大阪府立母子保健総合医療センター形成外科

ページ範囲:P.609 - P.611

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 55歳,女性.1991年慢性骨髄性白血病発症,1992年インターフェロンα,1995年hydroxyurea(ハイドレア®)を開始した.1996年両側足背外側部と右アキレス腱部に有痛性皮膚潰瘍と全足趾爪甲にびまん性黒色色素沈着が出現してきた.病理組織では表皮は萎縮し,空胞状の変性した部分を認めた.真皮乳頭層には浮腫があった.血管炎の所見は認めなかった.投与中止にて症状は軽減した.本症例をハイドレア®長期投与による皮膚潰瘍と爪甲黒色色素沈着と診断した.本邦において,本剤は1992年に発売開始されたため,本症例のような報告は少なく,今後増加してくると予想される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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