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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻8号

1998年07月発行

文献概要

症例報告

胃癌を合併したmulticentric reticulohistiocytosisの1例

著者: 山田美奈1 檜垣祐子1 川島眞1 中村哲夫2 兼村俊範2

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2済生会栗橋病院内科

ページ範囲:P.654 - P.656

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 49歳,男性の胃癌を合併したmulti—centric reticulohistiocytosis(MR)の1例を報告した.手指,肘関節痛とともに手指,耳甲介,口腔粘膜に紅色結節が多発し,3か月後に頸部リンパ節腫脹,全身倦怠感,体重減少,微熱などが急速に出現した.皮膚の結節の組織像は,スリガラス様の胞体をもつ組織球様細胞,多核巨細胞の密な増殖であり,MRと診断した.さらに精査の結果,胃癌および胃癌のリンパ節転移で,stage IVと診断された.胃癌に対して化学療法(FEPAF療法)を行い,リンパ節は著明に縮小したが,呼吸不全のため他界した.化学療法の前後で皮膚の結節に変化はなかった.自験例を含めMRの一部では,paraneoplastic syndromeとしての性格をもつものがあると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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