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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻8号

1998年07月発行

文献概要

症例報告

口唇に生じたmucoepidermoid carcinomaの1例

著者: 田村政昭1 田村敦志1 高橋亜由美1 石川治1 宮地良樹1

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.669 - P.671

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 70歳,女性.初診約5年前より,上口唇に小結節が出現し,漸次増大してきたため来院した.初診時,上口唇遊離縁に辺縁が堤防状に隆起し,中央が潰瘍化した結節が認められた.外科的に切除したが,切除標本の病理組織像では,粘液産生細胞,扁平上皮様細胞,中間細胞から構成される上皮性腫瘍細胞塊を認め,mucoepidermoid—carcinomaと診断した.本腫瘍は主に唾液腺に発生する腫瘍で多くは耳下腺,顎下腺,口蓋にみられる.このため皮膚科領域で経験することは少ないが,本症例のように口唇の小唾液腺に発生することも稀にあり,口唇腫瘍の鑑別診断の一つとして挙げられるべきものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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