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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻8号

1998年07月発行

文献概要

症例報告

皮膚原発性adenoid cystic carcinomの1例

著者: 布袋祐子1 木花いづみ1 田口英樹2

所属機関: 1平塚市民病院皮膚科 2日本鋼管病院皮膚科

ページ範囲:P.672 - P.674

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 症例:62歳,男性.初診時,右鼠径部に圧痛を伴う,径1.2cm大,弾性やや硬,境界明瞭な皮下腫瘤を認めた.表面皮膚には特に変化は認められなかった.病理組織学的に表皮とは連続性を認めない腫瘍塊を真皮中層から脂肪織にわたって認めた.腫瘍は多数の胞巣よりなり,それぞれの胞巣は基底細胞様細胞よりなる充実巣内に多数の大小の管腔を形成し,いわゆる節状を呈していた.これらの管腔を形成する細胞はCEA,EMA陽性を示し,本症例をadenoid cystic car—cinomaと診断した.耳鼻科領域および内臓の精査を行うも特に原発巣と思われる所見は得られず皮膚原発と考えた.皮膚に原発するadenoid cvstic—carcinomaは比較的稀で,若干の考察を加えここに報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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