icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻9号

1998年08月発行

原著

リベド血管炎の皮膚微小循環動態

著者: 山本忠正1 滝脇弘嗣1 坂尾佳久1 神野義行1 荒瀬誠治1

所属機関: 1徳島大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.689 - P.693

文献概要

 下肢に不規則な網状皮斑を呈し,夏期に小潰瘍を生ずるリベド血管炎の3女性例の病変部微小循環を非侵襲的に評価したので報告する.網状皮斑上で計測した37℃経皮炭酸ガス分圧は正常被験者に比べ全例で上昇,レーザー血流は低下しており,この傾向は下肢を下垂すると顕著となった.一方,網状皮斑部に近接した正常皮膚色部位での計測値は正常被験者の値とほとんど差はなかった.したがって本症では網状皮斑部に一致して毛細管血流量の低下があり,下肢下垂で増幅されてガス交換不全を生じ,局所的なチアノーゼをきたしていると考えられた.以上から本症の潰瘍がなぜ拡大しにくく,臥床安静だけで治癒しやすいのかを説明できる.潰瘍を生じた場合,臥床安静は優先して行われるべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら