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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻9号

1998年08月発行

文献概要

症例報告

アミノグリコシド系抗生剤とジブカインによる接触皮膚炎患者に生じた接触皮膚炎症候群とアミカシン疹

著者: 山本美穂1 大沼すみ1 武川るみ1 川口とし子1 北村和子1 池澤善郎1

所属機関: 1横浜市立大学医学部附属浦舟病院皮膚科

ページ範囲:P.705 - P.708

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 42歳,男性.右下腿,左前腕の虫刺部を掻爬後,市販のマキロン®,キズドライ®,ドルマイコーチ軟膏®およびリンデロンVG軟膏®,ゲンタシン軟膏®を外用し,皮疹が悪化した.硫酸アミカシン200mg点滴投与したところ,翌日より全身に大小の丘疹,水庖を伴うびまん性紅斑が出現した.アミノグリコシド系抗生剤および局麻剤による接触皮膚炎および自家感作性湿疹と診断し,入院後プレドニン®50mg/日内服にて,皮疹は徐々に軽快した.退院後パッチテストを行ったところ,フラジオマイシン,ゲンタマイシン,アミカシンおよび局所麻酔剤のジブカインで陽性であった.したがって,本症例は,市販の外用剤による接触皮膚炎から接触皮膚炎症候群を起こし,さらにその接触アレルゲンであるフラジオマイシンやゲンタマイシンと同系統のアミカシンを点滴投与し交差反応によりびまん性紅斑型薬疹を併発したと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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