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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻9号

1998年08月発行

症例報告

ステロイドパルス療法が有効であった成人のアナフィラクトイド紫斑の1例

著者: 大井知教13 高橋和宏1 遊佐明2

所属機関: 1いわき市立総合磐城共立病院皮膚科 2いわき市立総合磐城共立病院内科 3東北大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.710 - P.713

文献概要

 症例は37歳の男性.下肢の紫斑と熱発,足関節痛を主訴に受診した.紫斑部位の皮膚生検では真皮浅層を中心に核残渣を伴う好中球の浸潤と赤血球の漏出を認め,leukocvtoclastic vasculitisの像であった.アナフィラクトイド紫斑と診断してプレドニン®内服を中心とした治療を行い紫斑はすみやかに軽快したが,経過中,蛋白尿,腎機能障害が出現しプレドニン®の量を増量したが改善しなかった.腎生検にてメサンギウム増殖性糸球体腎炎の診断を得,ステロイドパルス療法(パルス療法)を施行し,腎症状も改善した.アナフィラクトイド紫斑の治療の際,各種の治療法が選択されるが,腎症状を伴い重症化が予想される場合,パルス療法は有効な方法であると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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