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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻9号

1998年08月発行

症例報告

単クローン性高IgA血症を伴った持久性隆起性紅斑の1例

著者: 小玉和郎12 小林仁2 川嶋利瑞2 大河原章2 高橋達郎3

所属機関: 1釧路労災病院皮膚科 2北海道大学医学部皮膚科学 3釧路労災病院病理

ページ範囲:P.715 - P.717

文献概要

 単クローン性高IgA血症を伴った持久性隆起性紅斑の63歳,男性例を報告する.平成2年頃から両膝蓋部に疼痛を伴う皮疹が出現し,徐々に拡大した.潰瘍性病変も伴ったため,釧路労災病院皮膚科を受診.初診時,関節面などに扁平に隆起する境界鮮明な暗赤色浸潤性紅斑を認めた.病理組織像は核塵を伴う壊死性血管炎であった.また,蛍光抗体直接法で,血管壁にIgA,IgG,C1qが沈着していた.血中IgAが1340mg/dlと増加しており,免疫電気泳動法でλ鎖の単クローン性の増加であることを証明した.骨髄などに異常を認めず,IgA型の良性M蛋白血症の合併があると考えられたが,良性M蛋白血症は必ずしも良性のまま経過しないことから提唱された,monoclonal gammopathy of undeter—mined significanceと診断し,現在経過観察中である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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