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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻9号

1998年08月発行

症例報告

ブシラミンによる薬剤性落葉状天疱瘡の1例

著者: 大久保恵美子1 檜垣祐子1 川島眞1 橋本隆2

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2久留米大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.733 - P.736

文献概要

 26歳,女性,成人Still病に対するプレドニゾロン内服療法中に,原病の悪化がみられたため,ブシラミン100mg/日を併用したところ,開始4か月後より顔面,躯幹に落屑,痂皮を付着する紅斑,水疱,びらんが出現した.病理組織学的に穎粒層直下の棘融解性裂隙を認め,蛍光抗体直接法では表皮細胞間にIgG,IgA,C3の沈着をみた.血清抗表皮細胞間抗体は80倍と陽性で,免疫プロット法で患者血清は落葉状天疱瘡抗原に弱く反応した.ブシラミンの内服中止とステロイド剤の外用のみでプレドニゾロンの増量なしに,3週間で皮疹は略治し,血清抗体価も低下した.薬剤中止により短期間に軽快し再発がないことから,ブシラミンによる薬剤性落葉状天疱瘡と診断した.ブシラミンによる薬剤性水疱症は自験例を含め8例報告されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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