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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻9号

1998年08月発行

文献概要

症例報告

神経症状を呈したサルコイドーシスの1例

著者: 川口博史1 山田夏恵1 中嶋弘1

所属機関: 1横浜市立大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.745 - P.747

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 種々の末梢神経症状を呈したサルコイドーシスの1例を経験した.症例は58歳女性.ぶどう膜炎,肺門リンパ節腫脹とともに,主に四肢に皮膚・皮下結節を多数認めた.血清アンギオテンシン転換酵素は高値.大腿の皮下結節から組織学的に診断し,経過観察していたところ,側腹部に一過性の疼痛がみられ,さらに左末梢性顔面神経麻痺を合併した.筋電図で顔面神経潜時の軽度延長,左眼輪筋の軽度の神経原性変化が認められた.メコバラミンの内服を開始し,約1か月で症状は消失した.その後も体幹,大腿の皮膚の異常知覚,しびれなどが時々出現しているが自然に軽快する.サルコイドーシスの神経症状として,顔面神経麻痺はしばしばみられるものであるが,皮膚科領域からの報告はあまりなく,ここに報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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