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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻9号

1998年08月発行

文献概要

症例報告

脂漏性角化症病巣内に生じたBowen病の1例

著者: 高橋亜由美1 田村敦志1 大西一徳1 石川治1 宮地良樹1

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.759 - P.761

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 82歳,女性.約10年前より右側頭部に結節が生じ,徐々に増大した.組織学的に結節辺縁部は表皮肥厚型の脂漏性角化症,中央部は表皮全層に異型性の強い細胞増殖を認め,Bowen病と診断した.脂漏性角化症は良性腫瘍であり,悪性化しないとされているが,両者の合併例は少数ながら報告されており,また基底細胞癌,有棘細胞癌などの悪性腫瘍が生じたとする症例も散見される.脂漏性角化症が悪性腫瘍の発生母地となり得るか否かは不明であるが,両者が同一病巣内に共存することが稀にあり,一部の生検標本からの診断には注意が必要であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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