文献詳細
印象記
第3回International Investigative Dermatology(IID)1998に参加して
著者: 青山裕美1
所属機関: 1岐阜大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.772 - P.774
文献概要
今回の発表演題1389の内訳はPlenary Session 40演題,Concurrent Session 163演題およびPoster 1186演題であった.それぞれ発表者の所属,名前の記載されていない抄録をJSID,SID,ESDRのプログラム選考委員が選出した各分野の第一人者を審査委員とし,それぞれの先生方が分担で応募されたすべての抄録を採点した.それらをすべて集めて1月にJSID,SID,ESDRのプログラム選考委員の先生がケルンに集まって4日間かけてすべての抄録を点数化し,ランキングをつけて順にPlellary Session,Concurrent SessionおよびPoster演題を決定したと聞いている.水準の高い分野は競争率が高かったとはいっても,各国の審査員による採点に激しいばらつきはなかったとのことだ.その結果JSIDからは,Plenary Session 2題,Concurrent Session 20題およびPoster 205題,合計227演題が参加した(ハイスコアにもかかわらずポスター希望の演題が5つあった).ちなみに97年度の日本研究皮膚科学会の参加演題は228であったので日本からは例年どおりの参加者があったことになり,また昨年度ワシントンで開催されたSIDでは全演題数841のうち日本の教室からの演題(カッコ内は海外のラボからの日本人による発表数)は,plenary+concurrent oral sessionは3(10),posterは42(28),合計45(38)演題で,それと比べると今回かなり健闘したということになる.演題の選考は選考委員の主観により,つまり有名なラボの演題は通りやすく無名な研究者は割を食うものだと思っていたが,選考委員の数は平等でかつ客観的に選考されている印象を受けた.また,応募演題数は3学会分にもかかわらず,Plenary Sessionの数は40なのでかなり水準の高い発表であった.実際ポスター発表のなかにもJournal of Investigative Dermatologyの水準と思われたり,実際にacceptされているという演題も数多くみられ,質のよい発表を短期間に見ることができ,非常に得るところの多い学会であったと思う.
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