icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻1号

1999年01月発行

文献概要

原著

食道病変を伴った尋常性天疱瘡

著者: 岡博史1 村田隆幸1 斉藤昌孝1 河原由恵1 佐々木裕子1 大畑恵之1 天谷雅行1 西川武二1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.9 - P.14

文献購入ページに移動
 43歳男性(症例1),53歳女性(症例2)の食道病変を伴った尋常性天萢瘡の2例を経験した.2症例共に皮膚病変は軽微であるのに対し,口腔1内,食道内のびらんが著明で粘膜病変が主体の尋常性天庖瘡であった.症例1は難治性の口腔内びらんより,症例2では食道粘膜吐出より尋常性天疱瘡が疑われ,食道内視鏡を施行したところ,食道病変が発見された.尋常性天庖瘡の症状判定の一環として積極的に内視鏡検査を行い,食道病変を評価する必要があると考えられた.さらに組み換え天庖瘡抗原を用いたELISA法を施行したところ,自験2例では抗デスモグレイン3抗体陽性,抗デスモグレイン1抗体陰性であった.皮膚と粘膜におけるデスモグレイン3抗原の分布より自験2例では抗デスモグレイン3抗体のみが存在するために病変が粘膜優位になると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?