臨床皮膚科53巻1号

1999年01月発行

症例報告

金製ピアス型イヤリングによる肉芽腫様接触皮膚炎の1例

著者： 角田孝彦¹ 出口雅敏¹ 馬目英明¹

所属機関： ¹山形市立病院済生館皮膚科

ページ範囲：P.27 - P.29

　44歳，女性．金属かぶれの既往なし．18金製のピアス型イヤリングを装着して2週間後より両耳垂に皮膚炎，1か月後より皮下結節が出現．パッチテストで塩化第二水銀と0.2％塩化金酸が陰性，1％と2.5％シオゾール®および0.5％金チオ硫酸Naは強陽性．組織は真皮と皮下にびまん性のポリクローナルなリンパ球浸潤とリンパ濾胞形成あり．本邦報告53例のパッチテスト結果を検討し，本症の抗原決定基は金イオン自体の場合と金イオンにSH基をもつ生体蛋白が結合したものの場合があると考えられる．