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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻1号

1999年01月発行

文献概要

症例報告

塩酸マニジピンによる扁平苔癬型薬疹の1例

著者: 沫田由美子1 野本正志1 荒瀬誠治2

所属機関: 1高知県立中央病院皮膚科 2徳島大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.45 - P.47

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 66歳,男性.高血圧症のため持続性カルシウム拮抗降圧剤である塩酸マニジピン(カルスロット®)を内服,6か月後より手背に紅斑が出現し,8か月後には前腕,躯幹および下腿に紫紅色紅斑を認めた.また,口腔内にも軽度の白色レース様変化を認めた.病理組織学的に苔癬型組織反応を認め,薬剤中止にて皮疹は消退した.パッチテストは陰性であったが,内服誘発試験で4日目より同様の皮疹が出現したため,同剤による扁平苔癬型薬疹と診断した.塩酸マニジピンによる薬疹の報告は現在まで3例のみであり,カルシウム拮抗剤による扁平苔癬型の薬疹の報告の4例中,自験例を含む2例が塩酸マニジピンが原因薬剤であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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