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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻1号

1999年01月発行

文献概要

症例報告

液体窒素療法が有効であったLaugier-Hunziker-Baran症候群

著者: 新山史朗1 岡本潔1 音山和宣1

所属機関: 1鹿島労災病院皮膚科

ページ範囲:P.56 - P.58

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 症例は68歳,女性.1990年から下口唇の色素斑に気づき,その後増加してきたため液体窒素療法を開始し,ほとんど目立たなくなった.今回1994年から同部色素斑の再発に気づき,指趾,爪甲にも色素斑が出現してきた.下口唇からの生検組織像では,基底層にメラニンの増殖,粘膜固有層ではメラノファージ,メラニンの滴落を認めた.消化管精査で異常なし.Laugier-Hunziker—Baran症候群(以下L-H-B症候群と略す)と診断し,液体窒素療法開始後3か月の現在,口唇色素斑はかなり淡化している.L-H-B症候群の口腔粘膜症状は,高齢者の生理的色素斑に極めて類似し,爪甲の色素線条は高齢者では10〜20%に認められる.これらのことからL-H-B症候群の初発年齢が20歳代以降で,加齢に伴い臨床症状が著明になってくることも考慮し,L-H-B症候群の色素沈着は口唇,爪甲に局所発現性の強い,加齢に伴う生理的現象である可能性を考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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