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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻1号

1999年01月発行

文献概要

症例報告

Atypical fibroxanthomaの1例

著者: 田村暢子1 宮沢めぐみ1 毛利忍1 中村宣生2 恒吉正澄3

所属機関: 1横浜市立市民病院皮膚科 2横浜市立市民病院病理 3九州大学医学部第二病理学教室

ページ範囲:P.79 - P.81

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 18歳,女性.初診の約半年前に左耳甲介舟に腫瘤が出現し,某耳鼻科にて結紮摘除された.その後すぐに増大,出血も見られたため当科を受診した.初診時に左耳甲介舟に長径12mmの広基性の紅色腫瘤があった.表面は肉芽腫様で易出血性であった.組織学的所見では真皮浅層から深層に腫瘍細胞が稠密に増殖していた.腫瘍細胞は線維芽細胞様でstoriform patternを形成していた.また,細胞質が泡沫状の組織球様細胞もみられ,両者に移行がみられた.核の大小不同や分裂像が目立ち,多核の細胞もみられた.免疫組織染色ではcytokeratin, EMA, S−100, HMB—45,CD 34が陰性,vimelltin, kp−1が陽性であった.若年者の露光部に発生するatypical fibro—xanthomaは稀と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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