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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻10号

1999年09月発行

文献概要

症例報告

痴呆の進行とともに軽快したtrigeminal trophic syndromeの1例

著者: 河出英明子1 谷口芳記1 伊藤八峯2 清水正之3

所属機関: 1市立四日市病院皮膚科 2市立四日市病院脳神経外科 3三重大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.805 - P.807

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 Trigeminal trophic syndromeは,三叉神経の知覚枝の損傷後に,三叉神経支配領域の異常知覚に対する自傷行為が起こり,皮膚びらんないし潰瘍が形成される稀な疾患である.今回,Gasser神経節へのグリセリン注射とテント下髄膜腫の外科的摘出後に生じたtrigeminal trophic syndromeと考えられる患者の経過観察中に痴呆の発生を認め,その痴呆の進行とともに皮膚潰瘍が軽快した稀な症例を経験した.機序は不明であるが痴呆の進行とともに異常な皮膚の感覚を感じることがなくなり皮疹の軽快をみたのではないかと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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