臨床皮膚科53巻11号

1999年10月発行

症例報告

先天性三角形脱毛症の1例

著者： 小林昌和¹ 安西秀美¹ 松本博子¹ 杉浦丹¹

所属機関： ¹清水市立病院皮膚科

ページ範囲：P.906 - P.907

文献概要

　典型的な先天性三角形脱毛症の1例を経験したので報告した．症例は生後1日女児．出生時より，前頭部から頭頂部にかけ最大径約4cmの境界明瞭な三角形の脱毛斑を認め，脱毛斑内の皮膚には，萎縮，瘢痕，びらんなどの異常所見はなかった．組織所見では毛包数の減少を認めるも，毛包以外の皮膚付属器には異常はない．本症の本邦報告例は4例のみであり，比較的馴染みの薄い疾患であり，aplasia cutis，円形脱毛症との鑑別について考察した．