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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻12号

1999年11月発行

文献概要

原著

青森県立中央病院皮膚科における転移性皮膚癌の統計的,病理組織学的観察

著者: 菊池康1 松山麻子1 野村和夫1 貝森光大2

所属機関: 1青森県立中央病院皮膚科 2青森県立中央病院臨床検査部

ページ範囲:P.977 - P.981

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 青森県立中央病院皮膚科22年間における内臓癌の皮膚転移29例について統計的,病理組織学的観察を行った.原発巣としては肺癌7例,乳癌7例,胃癌5例,転移部位は胸部に11例,腹部8例,頭部5例と続いた.臨床的には単発で結節状の皮疹が14例と最も多くみられた.皮膚転移まで要した期間は平均26.5か月であり,皮膚転移が先行したのは3例,皮膚転移から死亡までは平均6.6か月であった.転移部位の組織像は腺癌27例,扁平上皮癌2例であった.さらに詳細な組織学的検討では,組織学的結節形成は24例,表皮への近接像は20例(そのうち表皮への侵入像は2例),脈管侵襲像は11例にみられた.また,11例中8例で転移巣が原発巣の病理組織学的形態を保持していた.その中で,胃癌の1例では転移巣が原発巣に比べて低分化であり,肺癌の1例では逆に転移巣が高分化であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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