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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻12号

1999年11月発行

文献概要

症例報告

限局性皮膚クリプトコックス症の1例

著者: 安田秀世1 松原邦彦1 宮内東光1 横井徹2

所属機関: 1倉敷中央病院皮膚科 2倉敷中央病院内科

ページ範囲:P.989 - P.991

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 52歳,男性.糖尿病性腎症にて入院中,紅皮症を発症しシクロスポリン内服による治療を開始した.治療1年目頃より頭部,顔面,腰背部,臀部に自覚症状を伴わない丘疹から母指頭大結節を認めた.皮膚生検では真皮全層にかけて巨細胞を伴った肉芽腫性変化が散見され,周囲に明るい空隙を伴った大小の球形菌要素が多数みられた.サブロー培地で3日目で白色調のコロニーを形成し,墨汁法による直接検鏡では英膜を有する菌体が確認された.先行する内臓病変は確認されないため本症を限局性皮膚クリプトコックス症と診断した.日常生活上,鳩との接触はない.治療はフルコナゾールを経口投与し約4か月で皮疹はほぼ消退した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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