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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻12号

1999年11月発行

文献概要

症例報告

抗セントロメア抗体陽性汎発型斑状強皮症の1例

著者: 河野由美子1 田村敦志1 安部正敏1 石川治1 渋沢弥生2

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室 2日高病院皮膚科

ページ範囲:P.1001 - P.1003

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 60歳,女性.抗セントロメア抗体陽性の汎発型斑状強皮症の1例を報告した.前胸部と腹部にくるみ大前後の表面紅褐色調で光沢を有する硬化局面を5か所,下腹部には帯状を呈する大型の硬化局面を1か所認め,臨床像および病理組織像より本症と診断した.臨床検査所見で,抗セントロメア抗体が陽性であったが,抗Scl−70抗体は陰性であった.限局性強皮症においては種々の免疫異常が報告されているが,抗セントロメア抗体陽性例は稀である.本抗体はCREST症候群を含むlimited cutaneous typeの全身性強皮症に比較的特異性が高いとされているが,自験例では,全身性強皮症を示唆する皮膚症状,内臓病変は認められなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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