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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻13号

1999年12月発行

文献概要

症例報告

片側性に皮疹を認めたgeneralized morpheaの1例—発症についての一仮説

著者: 鈴木洋介1 山本哲也1 狩野葉子1 塩原哲夫1

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1124 - P.1126

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 右半身のみに皮疹を認めたgeneralized morpheaの55歳女性例を報告した.皮疹の新生は初診の8年前と2年前および8か月前の限られた時期にみられ,2か月ほどで形成されていた.その後の拡大は全く見られていない.皮疹は斑状および線状の色素沈着を伴う硬化性局面で体の右側のみにみられ,上下肢では神経支配走行にほぼ一致していた.Raynaud現象や舌小帯の短縮は認めない.抗ss-DNA抗体陽性.近年,全身性エリテマトーデス,慢性関節リウマチ,強皮症などの膠原病の発症や増悪の誘因として,ウイルス感染やその再活性化の関与が示唆されている.本症例の皮疹の特異な分布と出現の特徴から,誘発因子として,潜伏感染しているウイルスの再活性化の関与が推測された.しかし,調べ得た限り有意なウイルス抗体価の変動は認められず,今後皮疹の新生を認めた際にはウイルスの再活性化の関与を考え,改めて検討していく必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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