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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻13号

1999年12月発行

文献概要

症例報告

BCG接種後に生じた全身性の丘疹状結核疹

著者: 北島進司1 加藤武久2

所属機関: 1豊川市民病院皮膚科 2加藤皮フ科クリニック

ページ範囲:P.1137 - P.1139

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 8か月の女児.BCG接種後39℃台の発熱があり,接種1か月後に接種局所が発赤し膿疱を生じるとともに,顔,臀部,四肢に一部中央が膿疱様にみえる紅色丘疹を生じた.丘疹の組織では,表皮にはリンパ球様細胞の表皮内浸潤があり,真皮では浅層から深層に膠原線維の変性,壊死があり,それを取り囲むように類上皮細胞肉芽腫の形成を認めた.また壊死部の膠原線維間にムチンの沈着を認めた.PPDの10倍希釈液で施行したツベルクリン反応は陽性(8×8/14×14mm)であった.無処置で経過をみたが,初診から2週間後に丘疹の一部は中央が痂皮化し,4か月後には一部は淡紅色の瘢痕となり,他は跡を残すことなく消褪した.BCG接種後に生じた全身性の非典型的な丘疹状の結核疹と考えられた.同症の報告はまれと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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