文献詳細
症例報告
文献概要
82歳,女性.左頬部の色素斑とその上に生じた皮角をともに炭酸ガスレーザーで治療した.レーザー照射に先立ち皮膚生検を行い,自験例を日光角化症と病理診断した.第一期治療として皮角部分を炭酸ガスレーザーfocused beamで切除し,さらに皮角基部をdefocused beamで蒸散させた.切除部位の皮膚潰瘍が治癒した後,二期治療として色素斑部分を蒸散し,びらんが治癒した段階で著明な色素の減弱を認めた.皮膚腫瘍に対する炭酸ガスレーザー治療は縫合や植皮は不要であり,ケロイドにならない限り,術後の瘢痕の問題は少ない.自験例においては顔面にわずかに瘢痕を残すのみにて,隆起性病変および色素斑の治療ができたという点で患者の満足度は非常に高いものがあった.
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