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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科53巻2号

1999年02月発行

文献概要

臨床統計

ヒトパルボウイルスB19感染症の臨床的検討

著者: 江上賀子1 佐藤恵実子1 古江増隆2

所属機関: 1九州中央病院皮膚科 2九州大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.109 - P.112

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 ヒトパルボウイルスB19感染により伝染性紅斑を生じた19例について検討した.患者は18歳から59歳で,30歳台の女性が13人と最多であったが,これはこの年代の女性が,伝染性紅斑に罹患している子供に接触する機会を最も多く持つためと思われた.皮疹の性状は典型的な網状紅斑以外に,紫斑,淡い紅斑,潮紅など多様であった.発熱,関節痛,浮腫を伴うことが多く,部位は共に末梢に多い傾向にあった.小児例と比較すると,顔面に皮疹が少ないこと,皮疹以外の臨床症状が目立つことが特徴として挙げられた.皮疹の分布や形態は症例により異なり,典型的でないものもある.診断に苦慮する急性発疹症は,とくに流行期には伝染性紅斑を鑑別診断として考慮すべきであると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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